たなろぐ

安く旅行するのが趣味。

歴史がある工場みたいな美術館。青森県立美術館に行ってきました。

 2017年のGWは東北旅行に出かけたんですが、その旅行の最大の目的だったのがタイトルにも書いた青森県立美術館訪問です。前回(2013年)の青森旅行では時間が無くて行けなかったんですよね。青森県は想像以上に広くて、しかも公共交通機関や高速道路が発達していないので移動にどうしても時間がかかってしまうんです。主要観光地もバラバラに点在しているという、、、旅行者泣かせの県です。(^_^;)

 今回、念願叶ってようやく訪れることができました。写真は美術館遠景です。この美術館を設計したのは青木淳という人で国内外のLOUIS VUITTON店舗建築を手がけています。Wikipediaには美術館から歩いてすぐの三内丸山遺跡(さんないまるやま)と一体化したデザインにしてあると書かれていましたが私には良い意味で工場の様に思えました。

Wikipedia/青木淳

 というのも最近建てられた美術館にしては珍しく重厚な造りなんです。美術館の外観はレンガで装飾されています。近づいてみるとレンガとレンガを接着する漆喰というんでしょうか?それが不規則にはみ出ていて、とても味のある造りになっているのが分かります。レンガというと私はニューヨークあたりにある古い工場を連想してしまいます。世界遺産富岡製糸場(群馬県)のレンガ建築ぽくも見えます。あくまでイメージですが。(^_^)

 こういうのを見ると金沢21世紀美術館(石川県)、十和田市現代美術館(青森県)、地中美術館(香川県)といった著名建築家が設計した美術館群とは明らかに造りが違うな〜と感じます。金沢21世紀美術館等の建築イメージがツルツル、キレイ、柔らだとすると青森県立美術館は重厚、人の痕跡が残ってるというイメージです。

 美術館にはこんな水はけが良さそうなメタルプレート(通路)も設置されています。このプレートは美術館のために作られた物ではなく、工場建築用に作られた物の様な気がします。

 ベンチも無骨です。座面には木が使われていますが足はメタルぽくて工業製品みたいです。ベンチが置かれているフロアも大きなマス目状になっていて、その規則的な感じが工場で作られる工業製品をイメージさせます。

 美術館の主な壁は白ですが、壁の一部や展示室の床はまさかの茶色です。これは三内丸山遺跡を意識してのことだと思いますが、やっぱり工場を連想させます。床のヨゴレが目立たなくて機能的!みたいな感じがします。(^_^;)

  もう一つ気になったのが窓の少なさです。何度も引き合いに出してしつこいですが金沢21世紀美術館が全面ガラス張りなことを考えると窓が極端に少ないです。石川県は青森県と比べて雪は少ないですが、それでもそこそこ降ります。雪が降る地域の美術館建築にこれほど差が出るのは面白いです。

  私が美術館に行った2017年5月某日、特別展の「ラブラブショー2」が開催されていました。特別展と常設展で近代美術から現代美術まで幅広く楽しめました。(^_^)青森県出身の版画家・棟方志功(むなかたしこう)、現代美術家奈良美智(ならよしとも。存命中。)の作品が通しで見られたのが良かったです。それからシャガールが制作した巨大な舞台背景画(幕)もこれまた巨大な展示室に展示されていて見応えがありました。

 美術を通して青森県の歴史や文化を知る。と書くとかっこ付けすぎですが旅先でこういう体験をするのもいいもんです。

Wikipedia/棟方志功

Wikipedia/奈良美智

 これは美術館のシンボル「あおもり犬」(奈良美智制作)です。このあおもり犬が美術館のハイライトになっていて、みんなここで写真撮影しています。とても可愛らしいので女性に人気があります。あおもり犬の貯金箱がミュージアムショップで売られていたので思わず購入してしまいました。(^_^;)4千円程度です。

  そしてこちらも美術館のシンボル。森のネオンライトです。ここらへんからも工場ぽさを感じてしまいます。 特にネオンの配線がむき出しなところとか無骨で工場ぽいです。

 このネオンのオンオフを撮影できて良かった。(^_^)随分前、インターネットで雪が積もった夕方、ネオンが灯った美術館の写真を見たのですがそれがすごくキレイだったんです。

  青森県立美術館、どうだったでしょうか?一目見て私は工場ぽいと感じましたが皆さんはどう感じましたか?他にも色々な見方ができそうです。どちらにせよかなり個性的な美術館であることは確かだと思います。青森の個性を感じられる青森県立美術館、是非訪れてみて下さい。

tanalog.hateblo.jp

公式HP/青森県立美術館

公式HP/金沢21世紀美術館

青森県立美術館から三内丸山遺跡まで歩いてすぐ!*